【怪談祭り2020】みなさんからの投稿~「もう一人いたよね…」~(8月15日)[No.045]
「もう一人いたよね…」
投稿者:らぢおさん
投稿日:8月13日(木)
40年ほど前の話。高校の一学期の終業式の帰り、いつものように友達と3人でバス停でバスを待っていた。
他に生徒が4,5人。それぞれバスを待っている中、私はバスの来る方をボーっと見ていた。
すると、二人乗りの自転車が通りを下って来るのが目に入った。(その通りは駅から緩やかな坂道になっている)
学生服の男の子と女の子。男の子の後ろに横座りして男の子にしがみついてる女の子。二人とも笑顔で楽しそう。
ほどなく目の前を通り過ぎ、私はそのまま通り過ぎて行く自転車の後ろ姿を無意識に目で追っていたのですが。。。「!?…えっ?…」軽くパニック。
側にいた友達と目が合い、「もう一人いたよね…」と聞くと、友達はうなずいた。
もう一人の友達も数人いた人達も違う方向を見ていたりと、気づいた様子は無し。何が起きたのか何を見たのか、「いたよね」と友達と確認し合うも答えは出ず。
その後一切その話をする事なく来たバスに乗り何事も無かったように帰りました。
私が見たもの、男の子のお腹に回した女の子の腕の上にもう一人の腕。坂を下り目の前に来た時、女の子の後ろに横座りした、冬の学生コ-ト黒のソックスを履いた女の子が乗っていた。
普通に考えたら後ろの荷台に二人も座れるわけがない。男の子のお腹に回した腕は下の腕とは違う上着を着た腕だった。それにしたってそんな長い腕。。。うつむいてて顔は見えなかった。
目の前を通った時、「えっ?」と思い、後ろ姿を追った時には夏服の二人だけだった。今でもその光景は忘れない。
[この怪談は…ここまで……です…]