【怪談祭り2020】みなさんからの投稿~『カツッ、カツッ、パキッ』~(8月2日)[No.001]
『カツッ、カツッ、パキッ』
投稿者:さくトロさん
投稿日:8月1日(土)
10代は奇妙な年代でした。たくさんある中で、先輩と一緒に体験した事を投稿します。
会社の寮での事です。先輩と私は4人部屋でした。部屋を出ると廊下があり、非常階段はいつも鍵はを空けてある、今では考えられない長屋の寮です。
私達はその非常階段でいつもおしゃべりしてました。その階段はコンクリートで出来ています。
ある夏の夜。いつものように2人で階段に腰掛けて、外の風に当たりながらおしゃべりしてました。
すると、『カツッ、カツッ、パキッ』と上から聞こえてきました。
誰か来たのかと思い、2人で後ろを振り向くと誰もいません。非常扉は鉄製の重い扉です。開け閉めはガチャガチャ音がします。その音もしませんでした。
「ヤバイ!」と同時に私達は思い、足音が何歩かを確認したら2人とも『3歩』でした。
サーッと背筋が寒くなり、手を繋ぎ非常階段から走って売店まで逃げました。
売店のおばちゃんに、「出たー!」と一部始終を話したら、その会社の敷地は戦争時に作った防空壕がそのまま残してあり、たくさんの人が命を落とした場所だったのです。
そういえば、あの足音『カツッ、カツッ、パキッ』は、まるで軍人の靴音の様な音で、最後のパキッは枝を踏んだ様な音。
妙に納得してしまい、非常階段でのおしゃべりはそれが最後になりました。
何十年経っても忘れられない恐怖体験です。
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[この怪談は…ここまで……です…]