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【不思議体験記】プレイバック編~「ひいおばあちゃん、ありがとうね」~(3月29日)[No.0175]

「ひいおばあちゃん、ありがとうね」

電車の写真

投稿者:ねんねこさん
投稿日:2019年1月20日(日)

あれは21年前のセンター試験のことです。私は浪人して、2度目のセンター試験でした。

センター試験数日前に、友人(Yちゃん)から電話があり「試験会場が同じなら一緒に行こうよ」と誘われました。

センター試験会場は県の中心部。最寄駅から電車で40分+徒歩20分ほどの距離です。

私の家からは、JRのA線(最寄駅まで車で30分)か、私鉄のB線(最寄駅まで車で10分)のどちらかで行きます。

隣の市に住むYちゃんは、A線が最寄駅です。

「A線だよね。何時の電車?」とYちゃんに聞くと、「朝5時台発」とのこと。(田舎なので、電車は朝でも1時間に3本しかありません)

早起きが苦手な私は、つい「んー、それはちょっと早すぎない?  あと1本か2本後でも余裕で間に合うと思うんだけど…」と言ってしまいました。(その3本後の電車が、早すぎず遅すぎず丁度良い時間)

そしたらYちゃんが「もし電車が遅れたり止まったりしたら、試験に間に合わなくなるかもしれないよ!」と叫びました。

瞬間、私の脳裏に【A線の電車が急ブレーキをかけて止まるビジョン(先頭車両の車輪のクローズアップ)】がパッ!と浮かびました。

そして次に、【A線の途中駅のホームで、かなりの人数の学生さんが、不安と焦りの入り混じった表情で、電車を待つ光景】が視えました。

私は反射的に「ごめんね、Yちゃん。私、A線だと寝坊して乗り遅れちゃうかもしれない。今回はB線で行くね」と答えてしまいました。

センター試験の1日目は何事も無く過ぎ、2日目の朝。

試験会場の高校の教室には、空いている席がチラホラ…。私のすぐ後ろの席の人もまだ来ていません。電車が止まってしまうような悪天候でもなく、どうしたことか?と思っているうちに、試験時間になってしまいました。

試験開始から5分ほど経った頃、数人の人が息を切らしながら教室に駆け込んできました。

そしてお昼休み。Yちゃんが私の顔を見るなり「◯(私)ちゃん、電車、B線にして正解だよ!」と言いました。朝、A線に大幅な遅延があったこと。

やっと来た電車に乗っても、途中で何度も臨時停車して、更に遅れて焦りまくったことを、Yちゃんが教えてくれました。

「じゃあ、朝、駆け込んできた人たちは…」数日前のビジョンが蘇り、身震いしました。

思えば、あの2つのビジョンは、どちらも人間の視点ではありませんでした。間近に迫る車輪が、レールとの摩擦で火花を散らしながら止まる光景…。駅のホームからは、どうやってもあの角度で見えるはずが無いのです。

また、途中駅で待つ学生の光景も、ホームの屋根より高い位置からの俯瞰(ふかん)でした。

ああ、きっとこれは、天国のひいおばあちゃんが私に見せてくれたんだ…と思いました。

スマホが1人1台が当たり前になっている今の時代ならば、スマホで遅延状況をチェックしたり、その場ですぐ親に電話したりすることもできますが、あの当時は携帯電話がやっと普及しだした頃で、学生で携帯を持っている人はほとんどいませんでした。

21年前のセンター試験は、その後の私の人生を左右する、とても大切な試験でした。

ひいおばあちゃん、ありがとうね。おかげで落ち着いて試験を受けることができました。あのとき助けてくれて、本当にありがとう。

 

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