【不思議体験記】みなさんからの投稿~「九年前のあの日に体験した不思議な出来事」~(3月12日)[No.0151]
九年前のあの日に体験した不思議な出来事
投稿者:栞さん
投稿日:3月12日(木)
このお話は私が九年前のあの日に体験した不思議な出来事です。
当時、私は従姉の家へ泊まりに行きました。3月9日、仙台駅で従姉と待ち合わせて市場で手土産の苺を買い従姉宅へ向かいました。
従姉宅へ着くと、叔母さんと従姉方祖父母が出迎えてくれました。
「栞ちゃん良く来たねえ。」
「いらっしゃい。待って居たよ。」
祖母と叔母が口々に言うや否や…少し大きい地震が…。
「可愛い来客の登場に地震とは…神様も悪戯が過ぎるね。」祖父のお茶目混じりの冗談に笑いが起こり和やかになりました。
お仏壇に苺をお供えしてご挨拶。寝る場所がお仏壇の下で祖母と従姉と同室です。苺を供えお線香をあげてご挨拶をする私を祖父母と叔母と従姉は優しい表情で見ていました。
「お仏壇に御供えしてくれるのは依美ちゃん(叔母ですが仮名で)と栞ちゃん位だね。さすが、依美ちゃんの姪っ子だ。叔母さんに似て良い子だ。」祖母は優しい笑顔でそう言いました。
お昼ご飯を食べに連れて行ってもらい、楽しく過ごし苺を食べて就寝。時間帯は夜中だろうか?私はふと目が覚め、横を向くと枕の横に正座をする白い着物の女性が座って居ました。
直感で伯母さんだとわかりました。
「苺美味しかったよ。有り難うね。まだ夜中だからゆっくりお休み。」優しい声と私の頭を撫でる優しい手に安心して寝てしまいました。その時見た夢は…一生忘れません。
両親や祖父母達や親戚の伯父さん伯母さん方に似ているが、古い時代の着物を来た沢山の人達が大勢で忙しそうに走り回って居ました。そんな最中、伯母さんに私はこう言われました。
「名取エアリには今日…10日に行きなさい。明日11日は絶対に行ってはいけないよ。判ったね?依美ちゃんに伝えておくから、伯母ちゃんの言うとおりにしておくれ。」…真剣な表情で伯母さんに言われた所で夢が終わりました。
朝ご飯を食べた後に私は叔母さんに夢の内容を伝えました。馬鹿にされるか笑われるか…それも覚悟。しかし、それを聞いた叔母さんと従姉と祖父母は馬鹿にするでもなく受け入れてくれました。
「姉さんの言うことは間違い無いから。」
「伯母さんはね、沢山助けてくれたんだよ。お仏壇に挨拶をして御供えしてくれた可愛い姪っ子を護りたかったんだね。」
祖母と叔母はそう言いました。
その日の晩にまた、夢を見ました。
「安心しなさい。お前達は護るから。家の者は助けられるから。叔母さんと叔父さんの言うことはちゃんと聞くんだよ。」
「汝の心に菩薩有り。」自宅の玄関先に亡き祖父と見知らぬ御坊さんがいた。
「…今日はお姉ちゃんと一緒にカラオケに行きなさい。お昼ご飯食べたらカラオケだよ。…そっか、栞ちゃんは霊感があるんだね。大体解るだろうから何も言わないよ。でもね、栞ちゃんに良くしてくれた人達をなるべく全員護りたいけど、ごめんね。神様に寿命の人は駄目だよって言われたの。ごめんね。」
伯母さんは悲しそうに私に告げた。そこで夢は終わった。
3月11日…あの日、私はカラオケボックスに居るときに従姉と共に被災。
カラオケに行く気はなかったが急に気が変わった。フロントに居たときに私と従姉の後ろに白い着物を着た女性がいた。割り当てられた部屋に行き、歌い始めた。
楽しく歌って居るときだった。地震速報の音が先か揺れが先か…。
私と従姉を被うように抱き締め覆い被さる伯母さんと何故か私と従姉の頭を護るかのように置かれた上着やらカバン…。私も従姉も上着は入り口の壁際に掛けていて、カバンは座っていた所から離れた場所で…取る暇もなく机とソファーの間にいた。
不思議なのが大きな揺れでも溢れていないし動いていないコップ…。揺れが酷くて従姉が開けれなかった入り口の扉が開いていた…。偶々案内された部屋が店の出入口横…。私と従姉は無傷だった。
親戚や身内や近しい知り合いは全員無事。無傷だった。職は無くならないし、無くなっても無事新しい職場に就けた。
しかし、何人か大切な人がその日に襲った津波で亡くなった。大好きだった恩師とお姉さん的存在の先輩と幼い頃に行った夏祭りの時にスッ転んだ私を親切に介抱してくれた優しいお兄さんとお姉さん…不思議な偶然で出逢ったイカポッポ屋のおじさん。
…昨日は東日本大地震から9年後。
「栞の霊感は誰かを護れる素晴らしい力があるんだよ。自分の勘を信じなさい。大丈夫、栞は優しい心を持った素敵な女の子だよ。…小さな頃からお菓子を供える可愛いむすめっこが可愛くて仕方ないってご先祖様や神様に大評判だよ。優しい素直な心は無くさないでね。そんな貴女だから、皆大好きだし、護りたくなるのよ。」
伯母さん…昨日一日中東日本大地震の時に一生懸命護ってくれた貴女を思い出して仕事中でも涙腺緩かったよ。
そんな事を考えながら、私は大好きなケーキ屋さんのオススメケーキを買い自宅の仏壇から伯母さんやご先祖様や祖父に御供えした。
「ケーキ、美味しかったよ。有り難う。自分で好きなものを沢山食べて頑張りなさい。」
伯母さんがあの日と変わらない優しい笑顔で今朝の夢に出て来ました。
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