【怪談祭り2022】みなさんからの投稿~謎の存在~「夜中に現れたおじいさんは…」~(7月3日)[No.009]
謎の存在
投稿者:トッぴょんさん
投稿日:7月2日(土)
私が子供の頃の夏の夜のことです。
夜中にトイレに行きたくなり目が覚めた私は、となりに眠っている母に、比較的元気よく「トイレに行ってくる」と声をかけました。
すると目を覚ました母も「行く」と言ってくれたので、怖がりな私はほっとしたのを覚えています。
トイレは家の中と外にもあります。家の中のトイレは仏間と暗い廊下を通らなければなりません。母はいつも外のトイレを使うので、その夜私は、先頭を切って外へでました。
私が先にトイレを済ませ、庭で母を待っている時のことです。
近くに広がる田んぼの先の森のあたりを何気に見たとき私の目は、くぎ付けになってしまいました。
そこには、おじいさんが佇んでいました。
白い着物、白い帯、長く伸びた白髪、白ひげが帯のあたりまであります。
私が最も驚いてしまったのは、こんな夜中に何故おじいさんがそこに?ではなくおじいさんのその大きさでした。
おじいさんはその森に生えている木々とほぼ同じ背丈です。計ったわけではありませんが10メートルぐらいありそうでした。
顔は無表情でした。おどろおどろしい感じはなかったのですが、下げた両腕がこちらに向かって開きかげんで、「こっちに来い!」って事なんじゃないかと思ってしまい鳥肌が立ったのを覚えています。
トイレから出てきた母に「母ちゃんあれ何?」って聞くと、母は見もせず、「何でもないから」と私を家の中へとせかします。
私はそれ以上母に何も言いませんでした。何故か言ってはだめな気がしたからです。
その後、おじいさんを見ることは無く、おじいさんが佇んでいた場所は今、道路が通っています。
最近思い出しネットで調べてみたりしましたが、大きいおじいさんと結びつく情報はありませんでした。
いまでも謎の存在です。
[この怪談は…ここまで……です…]