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【怪談祭り2022】みなさんからの投稿~お化け屋敷での恐怖体験~(6月29日)[No.003]

お化け屋敷での恐怖体験

お化け屋敷の写真

投稿者:さん
投稿日:6月27日(月
)

夏と言うことで…9歳の私が体験したお化け屋敷での恐怖体験を1つお話致します。

あの日、私は母と二人の弟と4人で七夕祭りへと出掛けていました。

祖父母と両親からお小遣いを貰い、ウキウキ気分の私と弟達は無邪気に母を連れ回し屋台を巡り、お昼御飯を食べにとある大型ショッピングセンターに向かいました。

入口でお化け屋敷のチラシを貰い、お昼御飯を食べてすぐにお化け屋敷に参加しました。

「どうせ子供騙しで余り怖くないでしょ。」
「姉ちゃんならお化けを殴り飛ばしそう。」
「栞、お転婆は駄目よ。」
等と口々に言いながらお化け屋敷が開催されている階に到着。

すると…当時の末の弟位の女の子が怖がって泣いている姿を発見。

私は何となく心配になり…母と女の子のお母さんに許可を取り飴を差し出しながら頭を撫で女の子に告げる。

「大丈夫?お姉ちゃんが怖いオバケをやっつけて来るから安心してね。この飴は怖くなくなる魔法がかかっているからね。」

…私の言葉に女の子は笑顔が戻る。結果的に余り怖くなかった。子供騙し程度だった。寧ろ、お菊井戸役のお姉さんを驚かせて笑いをとったりしていたその時でした。

「何か機材トラブルで出口の明かりが壊れたから気を付けてお帰り。お化け役は居ないから安心してね。一応スタッフが見ているから。」
「分かりました。有難うございます。」

機材トラブルが発生して明かりがつかずで足元が危ない状態でしたが、フロアの明かりが見えていたので怖くなくて、スタッフさんも出口迄付いてきてくれた。

…だから油断していたし、油断も何もその直後に訪れた恐怖なんて予想はしていない。

「じゃあ、ここを真っ直ぐ行くと出口だから。」
「ハイ、有難うございます。」

そう言ってスタッフさんと別れた直後でした。

出口の直ぐ手前に全身が映る鏡があり、鏡の前にあるスペースに白い着物を着た男性がいました。

出入り口に立つスタッフさんかな?そう思いながら鏡と男性の間を通った瞬間に驚かすような叫び声を上げると、後から抱き着いて羽交い締めにされ胸を触られました。

男性の身体は氷のように冷たかった。生気の無い肌の色も忘れられない。

「お嬢ちゃん可愛いね…お兄さんのお嫁さんになって鏡の中で暮らそう。」

耳元で囁かれながら胸に置かれた手は…だんだん下へと行き太ももへ。恐怖で固まっているその時でした。

鏡の中に一人の10代後半の美しい少女と男性の後に四十代で髪の毛が短い男性が現れました。

少女は何処か姉に似ていました。少女は私を抱き締めて頭を撫でて宥めてくれました。

「怖かったね。もう大丈夫だよ。栞は優しいお姉さんに成長したね。あんまり可愛いと怖い人達が寄ってきちゃうから気をつけるのよ。ま、お姉ちゃんが護るから安心してね。さっ、お母さんの所にお行き。」

少女の傍らで、男性の首に腕を廻しながら絞め上げるもう一人のヒーローは怒りを含ませながら低い声で一言。

「…俺の孫娘に何をした。」

怒りに満ちた…恐ろしい形相とは正反対に私の方に顔を向けた男性は優しい笑顔でした。

「大丈夫?恐かったね。悪いお化けはお祖父ちゃんが倒しておくからね。怖くないよ。頑張ったご褒美に沢山お菓子を買って貰いな。」

…そんな二人を見て安心したのか涙が出て泣きべそをかきながら母の元へ。母に抱き着いて泣きながら一部始終を話す。

私が出てくると、出口が見える位置にいた母は男性の幽霊が見えていたのか睨んでいた。しかし、抱き着いた私を抱き締めてくれているときの母は優しい笑顔だった。

先程の助けてくれた男性と少女の姿を見たのだろう。帰宅後にこの話を祖父母と父と姉に話をした。

両親と祖父母と姉は一瞬…今迄見たことがない怒りの表情をしていた。

後に分かったこと…。

まず、お化け屋敷は来場者に触れてはならない決まりがある。丁度お化け屋敷でアルバイトをしていた方に姉の友人がいたので色々聞いてみたが、出口付近にはスタッフは居なかった。

ましてや、鏡なんて存在しない。勿論、男性の幽霊役など居ない。

じゃあ…私が出会した存在は一体なんだろう。

「ロリコンの幽霊に絡まれた可哀想な奴&ロリコン注意な危なっかしい娘っ子」…等の不名誉なお墨付きをつけられたのは言うまでもなし。

それから数日後に、母方の祖母宅へ泊まりに行くと、仏間にお化け屋敷でロリコン幽霊から助けてくれた男性の遺影を発見。

お化け屋敷での出来事を叔父と祖母に話した。

「親父!変態野郎を地獄に落としてくれ!姪っ子によくも!」…殺気が籠もる表情で呟く叔父さんの後で仏壇に手を合わせる祖母が一言。

「あんた…末の孫娘を頼むよ。私の孫娘によくも…地獄に落としておやり。」

これまた温厚な祖母が放つ殺気が恐かった。因みに、少女の正体はもう一人の姉妹である長姉でした。

「お化け屋敷の件といい…段々気が付くと思うけど、生まれ付き霊感が強いからなのか霊力が強いのか色々良いものも悪いものも引き寄せる子だからね。死人だの生きているだの関係無くね…。」

…拝み屋さんをするくらい強力な霊能力者だったご先祖様がいたためか、強力な磁石並みに色々寄って来やすい私を心配して、末の弟が産まれた直後から常に守護霊として側に居てくれています。

 

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[この怪談は…ここまで……です…]

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