【怪談祭り2021】みなさんからの投稿~甘い夢~「好きにさせてたまるものか…」~(8月11日)[No.035]
甘い夢
投稿者:めぐみさん
投稿日:8月9日(月)
私は時々リアルな夢を見ます。なかにはロマンスの夢の場合もあります。誰かに抱きしめられキスをする。肌を重ねる感じ。はっきりとした感触が起床時身体に残っています。おかしな夢だけど、気持ちいい。初めの頃は恥ずかしさでいっぱいでしたが、なんだか懐かしい人に会えたようなちょっと嬉しい錯覚に陥っていました。
ある時YouTubeを聞いて、同じような経験をしている方がいる事を知りました。話を聞いているうちに、私も気持ちをしっかりと持たないといけない。いつまでもそんな感覚を待っていてはいけない。それは私の待ち人では無い。そんな思いになりました。そ
してその時を待ちました。
ある晩、寝ている時に唇に軽く触れられる感触がありました。だんだんと力が強くなってきます。私は身体中の力を振り絞って、身体が震えるくらいの力で、(多分声は出していない)「好きにさせてたまるものか…」と2、3回叫びました。「お前の姿を見てやる!」そう心の中で言って、力一杯ゆっくり目を見開きました。
見ると、私の布団の右側に私に背を向けて右手首を畳につき身体を支えて、右足を伸ばし左足を立てた格好。左腕は立てた左足を抱えるようにして座っている丸刈りの白いTシャツの若い男がいました。
ズボンも戦前のドラマでよく見るような短めの丈ですが、昭和初期の父の下着姿とはちがいます。外出着のようにピンとアイロンをかけたような折り目が確かにありました。「顔を見てやる」って思ったけれど、ふっと意識が無くなり気がつくと朝でした。
その後二度とそのような甘〜い夢は見なくなりました。本当に夢だったのでしょうか。
[この怪談は…ここまで……です…]