【怪談祭り2021】みなさんからの投稿～民宿で目撃した白い物～「こういう土地だし、いろいろあるのかな」～(8月11日)[No.034]
民宿で目撃した白い物
投稿者：みかんねこさん
投稿日：8月9日(月)
今からもう40年以上前の学生時代の話です。
夏休みに友人と東北地方へ旅行に行ったとき、岩手県の田老町の民宿に泊まりました。当時は町でしたが、今は宮古市の一部になっているようです。
宿に入った時、「何だか薄暗いな」と思いました。2階の部屋に案内されて窓の外を見ると、すぐそこに巨大な防潮堤が町を取り囲んでいました。昔から津波の被害に何度も見舞われた地だそうです。
夕飯までにその防潮堤の上を歩いたりして過ごしました。海の幸のごちそうに喜び、旅の疲れもあって早くに就寝しました。
ふと目が覚めて横を見ると、白い物が立っていたので、隣に寝ていた友人が寝ぼけてシーツを被って立っているのかと思いました。でも、よくよく見ると暗闇に妙にはっきりと白く見えます。
急に怖くなって、布団を被っていつの間にか寝ていました。
朝早く起き出した友人に、昨日寝ぼけて立っていなかったか聞きましたが、ぐっすり寝ていたと言う話。こういう土地だし、いろいろあるのかなと思いつつ、次の地へと旅立ちました。
東日本大震災で田老町も甚大な被害を受けて、あの巨大な防潮堤も流されてしまい、訪れた町ももう無いのかと思うと、たまらない気持ちになります。
民宿の皆さんがご無事でいることを願いつつ、いつかまた訪ねることができればと思っています。
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[この怪談は…ここまで……です…]
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