【怪談祭り2019】みなさんからの投稿～読経が聞こえてくる家～(8月13日)[No.0034]

私の両親が以前住んでいたの家の話です。

子どもたちが独立したあと、両親にとっての終の棲家を田舎に建てて引っ越しました。

私もその新築の家に遊びに行き、夜はひとりで和室に寝ました。

すると朝方大音量で「南無妙法蓮華経」と読経する声が聞こえました。雨戸もきちんと閉めているはずなのに、外がまぶしいくらい明るいのがわかりました。

声は、例えるなら選挙カーで名前を連呼するのと同じくらいうるさいのに、別室で休む両親は気づかなかったそうです。

別の日、今度は兄が両親の家に遊びに来て、同じように和室で寝ていると、朝方やはり読経の声が大きく聞こえたそうです。

それ以降お経は誰も聞いていませんが、水道から水が勝手に出る、電気が勝手につく、壁が大地震のようにガタガタなる、夜になるとトイレの壁の内側からカリカリひっかく音がする、みんな寝ているのにお風呂に入っている音がする、夜中に目が覚めると枕元にお侍さんが正座している、ということが１０年くらい続き、私がときどき訪れて自己流でお清めを続けたせいなのかわかりませんが、そういった現象はだんだんに終息しました。

さらにその後、終の棲家のはずが引っ越すことになり、両親にとってもっと良い環境に移りました。

一番怖いのはそういう現象があっても、家族の誰も「うるさい」とは言いつつも特に気にしていないということです・・。