[人工知能ニュース]進化するAIを防災に活用~SNSに寄せられた被災者の声をいち早く把握~
日々めざましい進化を遂げているAI(人工知能)
そんなAIを大地震や津波などの防災に生かす取り組みが広がっています。
これによって、これまでは人の手に頼らざるを得なかった状況把握の処理スピードが飛躍的に向上し、被災者の救助や避難指示が効率的に行われることが期待されます。
進化するAI防災
高精度で津波を予測
川崎市は昨年秋、富士通や東京大などと協力し、AIを使って南海トラフ地震などの津波を発生直後に予測して防災に生かすシステムの導入に着手した。
AIはあらかじめ架空の観測データを使って、川崎市を襲う津波のパターンを無数のシミュレーションで学習しておく。
津波が発生すると、沖合の相模湾や駿河湾にある波浪計で観測したデータと学習成果をもとに、川崎市への到達時間や高さ、浸水域などを高精度に予測する仕組みだ。
スーパーコンピューターで高速計算することで、地震発生の約10分後に5メートルの位置精度で浸水域の予測が可能になるという。
市は南海トラフ沿いなどで巨大地震が発生した場合、1時間半後に最大で高さ約3・7メートルの津波が押し寄せると想定。
防潮堤が機能しないなど最悪の事態での浸水域を予測し、きめ細かい情報を住民に提供して最適なルートでの避難につなげる。
被災者の重要な投稿を抽出
被災者がツイッターや無料通信アプリ「LINE(ライン)」などの会員制交流サイト(SNS)に寄せた投稿をAIの言語処理で分類し、救助や避難などに役立てる動きも本格化している。
西日本豪雨でも多くの被災者がSNSを通じて救助要請や被災状況の報告を行った。
ただ、東日本大震災では発生当日だけでツイッターへの投稿が約3300万件に達しており、膨大な情報から重要なものをいかに取り出すかが課題だ。
そこで情報通信研究機構は、災害に関連するツイッターの書き込みをAIでリアルタイムに抽出し、内容や地域ごとに分類して表示する情報分析システム「D-SUMM(ディーサム)」をインターネット上で公開。
昨年7月の九州北部豪雨では、JR久大線の鉄橋流失を伝える投稿をいち早く把握し、大分県が対応に動くきっかけを作った。
電脳防災訓練も
南海トラフ地震の津波被害が予測されている自治体や住民、ラインの運営会社などは今年秋、ディーサムを使った“電脳防災訓練”を計画している。
訓練では、住民が臨時のインターネット掲示板やラインに救助要請や被害の状況などを投稿。
ディーサムで重要な情報を分類し、災害対策本部のスクリーンに表示して対応に役立てる。
訓練を実施する「電脳防災コンソーシアム」は4月、AI防災の実現に向けた提言も公表。
AIとSNSを組み合わせることで、困窮した被災者や避難所を早期に見つければ、災害関連死の防止にもつながるとしている。
コンソーシアムの共同代表を務める慶応大の山口真吾准教授(情報通信政策)は「ファクスやホワイトボードによる情報集約では不十分だ。AIを使えば100万人の住民と自治体とのコミュニケーションを確立できる」と話す。
産経ニュースより一部抜粋
現在、産業や医療など様々な分野でAI(人工知能)の導入が進んでいますが、ニュース記事にあるように防災へ取り入れることによって、より迅速により効率的に被災者の救助や支援が行われ、多くの人命が救われるはずです。
もちろん、AIに頼りすぎるのは危険ですが、AIというのは学習能力があり、これまで発生した災害の膨大なデータやこれから遭遇するであろう大震災から学習し、より精度の高い防災対策が行わることに期待が持てます。
ただ、地震への備えをしなければいけないのはボクたち自身ですっ!
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