【怪談祭り2022】プレイバック編~人生1度だけの金縛り体験~(8月22日)[No.085]
人生1度だけの金縛り体験
投稿者:じゅえるさん
投稿日:2020年8月12日(水)
怪奇特集を読んで、霊感の無い私の人生1度だけの金縛の体験を思い出しました。聞いてください。
まだ女子高生だった頃、家庭科の授業で子供服縫製の課題がありました。明日までの提出と言う事もあり、その当時仲良しだった○美ちゃんとお家で一緒に課題を仕上げる事にしました。
彼女は父親と兄2人しかおらず、かなり自由に生活していました。
2人で子供服に奮闘していたのですが、私のミシンが急に壊れてしまいました。
困り果てて、○美ちゃんのお家のミシンで仕上げる事にして2人で○美ちゃんのお家に向かいました。
夜中の11時頃かと思います。歩いて10分くらいの所に○美ちゃんのお家はあります。
途中、諏訪神社があるのですが、近道しようと言われて神社の境内から本殿を横切り、真裏に行きますと小さな祠が何ヶ所か祀ってありました。
今になっては何処からそこに出たのか、目の前には赤い鳥居が何個も建っていて、そこを真っ直ぐに歩いたら彼女のお家の裏に出てきました。
ここには5年以上住んでいたのにこの道は初めてで少し怖かったのを覚えています。
○美ちゃんのお部屋は2階にありました。ミシンで順調に仕上げて、夜も遅いので2人で眠る事にしました。○美ちゃんのお部屋の押入れの上段にお布団がひいてあって手前に○美ちゃん、奥に私が横になりました。
横になるとすぐに○美ちゃんは寝てしまいました。私は何故か眠れず起こさないようにじっと横になっていました。
夜中の2時過ぎだと思います。
突然『ザザッ、ザザッー、ザザッー』と、階段を風のような勢いでこちらに近づいてくる音が聞こえました。
怖くてその気配に集中して目を閉じていると私達の前で気配が止まりました。
すると、その気配は突然、私の中に入ってきたのです。で、金縛にあいました。
耳元で荒い息遣いを感じます。動く事も怖くて目を開ける事も出来ずに何とか金縛りを解こうとしたのですがどうする事も出来ず、そのまま意識を失いました。
翌朝は何気ない日常でした。無事に子供服も提出して2人で下校したのですが…昨日のお話しは怖くて○美ちゃんには言えませんでした。
彼女は放任主義の父親に何も言われないので、よく彼女がお家にお泊りに来たり私が行ったり、そして良くない事も彼女に教わりました。○美ちゃんに彼氏さんが出来るとその方と居る方が楽しかったらしく、段々と放課後は会えなくなりました。
随分時は流れ、大人になった頃、当時通っていたエステの方から今度凄い先生がお家にいらっしゃるからお会いしないか?と聞かれました。スピリチュアルが大好きな私、1つ返事でOKしました。
当日お会いすると、私に「何か憑いている」と言われ、その場でお祓いしてくださる事になりました。上げるって表現が正しいと思います。
始まってすぐは寒くて身体が震えるくらいでした。段々温まってきて、その頃から何故か涙がとまりませんでした。悲しい訳でも辛い訳でもないのに…
全てが終わって先生から「可愛らしい白い狐さんが上がっていった」と教えてもらいました。良く分からなかったのですが、安心したのと少し寂しい気持ちもありました。
それから何年か経って、○美ちゃんが若くして白血病で亡くなった事を友達から聞きました。
関係あるかどうかはわかりませんが、同級生の中では1番早かったお悔みでした。
[この怪談は…ここまで……です…]