【怪談祭り2022】プレイバック編～深夜に出会った男の子～(8月5日)[No.056]

今から１０年くらい前に、仕事で遅くなり足早で帰宅途中の出来事。

時刻は深夜の２時半頃(丑三つ時)。

すでに点滅信号に変わってた人通りのまったく無い交差点で、人通りどころか車すら通ってなくて真っ暗だったのに、５才くらいの小さい男の子が横断歩道上を何度も走って行ったり来たりして遊んでたのが見えたんです。

いくら車が通ってないからって危ないと思い、私はその交差点を渡り終えた時にその男の子に「こんなところで遊んでると危ないよ！」と注意しました。

男の子は驚いたようにポカンとして私を見上げてました。

が、その瞬間「えっ…、でも何でこんな時間にこんな小さい子が１人でこんなところにいるの？…」と思い、周りを見回しても保護者らしき人はもちろん、人通りも車通りもなく、近くにその子の家らしき民家もなかったので、「えっ？…」と思った瞬間に怖くなって、一目散に猛ダッシュで家に逃げ帰りました。

出迎えた当時の交際相手に、「いっ、今！あそこの交差点で！…」と玄関先でその話をしたところ、「ちょっとそこで待ってろ！」とキッチンから塩を持って来て私にふりかけ、「よし、入っていいよ」と家に入ってからに、「たぶん事故で亡くなった子供の霊だよ、きっと…」と言われました。

しかし、たとえば足が無かったり半透明とか頭から血を流してたとかなら霊で納得ですが、『シックスセンス』のブルースウィルスくらい人間にしか見えない感じだったのがモヤモヤポイントなんです。

せめて『ゴーストニューヨークの幻』くらいの出方なら霊で納得でしたが…。

家に着いて少し落ち着いた時点で、でももし迷子みたいのだったら？…とちょっと心配になり、大人なんだから霊と決めつけて一目散に逃げないで霊か人間かちゃんと確かめて、もし人間だったら家や交番に送り届けてあげた方が良かったのでは？…とモヤモヤし始めて、「やっぱり見て来ようかなぁ…」とポツンと言ったところ、相手の彼も『あなたが知らない世界』で育った世代なので、「よせ！墓場に連れて行かれるパターンだぞ！」と一蹴されてしまい、結局そのまま放置で今だに時々思い出すとモヤモヤしてます。

ただ、後から思い返すとやっぱり霊だったのかな？…と思える節もあります。

一応、ちょっとばかり街灯はついてたといえ、真っ暗な点滅信号の交差点だったのに、そこだけスポットライトで照らしてたかのように遠目からでも男の子が遊んでたのがハッキリ見えたのが不自然でした。

それに、私が信号を渡ったところで注意した時に驚いたようにポカンと見上げた時にちょっと違和感がありました…。何て表現したら良いのか、生身の人間なら至近距離まで近づいたら気配といいますか体温というか…、そういうのが無かったような…。

顔が明らかに生きてる人間ではない(蝋燭みたいに真っ白で目だけ真っ黒)とか、足だけの半透明で上半身がないとか、人の形の黒い影とか、わかりやすい霊には何回か遭遇してますが、この交差点の子供がもし霊だったとすると生身の人間にしか見えないほどのクッキリハッキリ度でした。

なのでモヤモヤが残り、友達や知人にどう思うか聞いたら、全員が即答で「それは絶対に子供の霊！」「関わらなくて正解」という回答でしたが…