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【怪談祭り2021】みなさんからの投稿~お盆~誰かがいる気配~(8月14日)[No.038]

お盆

和室の写真

投稿者:さん
投稿日:8月13日(金)

こんにちは。今日から、お盆ですね。お盆といえば子供の頃は一大イベントでした。

母方の本家は旅館並みの広さで庭もかなり広く、昔はお盆やお正月などは親戚一同で集まって、大人達は昼間から宴会、子供達は昼間は近くの私有地の山や広い庭に点在する他の親戚の家やらに立ち寄りながら、敷地内で元気に遊びまわっていました。

夜は庭で花火、天気が悪くても30畳分ほどの土間もあったりしたので、そこで線香花火やスイカ割りなんかもできました。

恒例は、片隅にお盆の祭壇が置いてある仏間の手前の12畳ほどのスペースで怪談。

そこを起点に、トイレに通じる長い廊下やら庭の古井戸や蔵や裏庭の邸内社など数箇所を巡って肝試しに行きました。

余談ですが本家にお泊まりすると、トイレに行くのが怖くて、朝方、明るくなるまで我慢してしまうくらいの怖さで、昼間はそうでもないのですが、夜はそこいら中に何かがいそうで、京極夏彦さんの『いるのいないの』という絵本の世界観をさらに怖くした感じで、まさにリアル『いるのいないの』状態でした…。

聞いた話によると、過去には横溝正史シリーズの何かの作品のロケ地にという話があったとか…。私はよく知りませんが、そういう話が来てもおかしくなさそうな雰囲気の慶長○年築の大きな家でした。

築400年くらいの古民家の醸し出す重厚感だけでも夜はけっこう怖いのに、巨大な柱時計やホンモノの甲冑などの骨董品がさらに怖さに拍車をかけます。

残念ながら重要文化財に指定されそうな動きがあったとかで、伯父が新しい家に建て直してしまったため今はもうありませんが、そのまま残して活用してれば『る○ぶ』や『ま○ぷる』に『○○家住宅』とかで載ってたかも知れませんね。

で、その日も恒例の怪談を子供達で集まって始めたのですが、ちょうど盛り上がってきたところに雷が鳴り始めて、かなり良い雰囲気になりました。

そして何度か停電もしましたが、怪談を行ってた部屋の明かりはお盆の棚のろうそくと従兄の持ってた懐中電灯だけにしてたので、停電してもみんな特に動揺することもなく、雷をBGMに大盛りあがりで怪談は終了したのですが、終わったときに従兄弟の1人が仏間の方をジッと凝視していたのにふと気づきました。

「○くん、どうかした?」と聞きましたが、「ううん、別になんでもない」みたいな返答でしたが、首をかしげるような素振りをしてたのが気になりました。

そのあと、雷で雨が降ってたので肝試しはせずに土間で線香花火をして、順番にお風呂を済ませて、子供はそれぞれ部屋に行って寝たのですが、夜中にトイレに行きたくなって目が覚めてしまいました。

「よりによって怪談をした日の夜に目が覚めちゃうなんて…」と朝までガマンするつもりでしたが、その日はガマンできそうもなく、それに起きてると天井の柱や梁の影に何かいそうで、それはそれで怖いので、意を決してトイレに向かう事にしました。

途中の階段が昔ながらの階段でまず真っ暗で怖いし、誰もいない1階の大広間には古い大きな柱時計があり、ちょうどボーンボーンと鳴り出すし…。

さっき怪談をしてた仏間の手前のお盆の祭壇が置いてある部屋を足早に通り過ぎ、仏間の脇を抜けてトイレに続く長い廊下をトイレに向かい足早に進みました。

ようやくトイレにたどり着いて、まぁ建物は古いけどトイレ内は水洗で明るい雰囲気にしてあったのでトイレ内自体はさほど怖くなく、帰りは慣れたのでもうあまり怖くなくなってましたが……仏間に誰かいるようでした…。

仏間の障子に、回転するぼんぼりの明かりがほんのり映っていたのですが、誰かいるような感じがしました。

「伯母さんか誰かかな、こんな夜中に何をしてるんだろ?…」と思い、障子越しに「伯母さん?…」と呼びかけても返事はありません。でも明らかに誰かいる様子で、「誰かいる?…」と呼びかけてもやはり応答なし。

幽霊よりもむしろ泥棒とかを心配しながらも、思い切って、そーっと障子を開いてみたら誰もいません。

不思議に思いながら障子をまたそっと閉めて仏間をあとにしようとしたら、またも誰かいるような気配が始まり、気のせいか人影が映ってるようにも見えました。

「…えっ?」と思って、また襖を開けると誰もいなくて、何回か仏間の障子を開けたり閉めたり同じ事を繰り返していたら、「何やってんのM?…」とそこの家の本家の高校生の従姉妹がやはりトイレに起きて来たようでした。

「あのね、誰かいるみたいなのに開けるといないんだよ…」と説明したら、従姉妹は「ああ、お盆だからね〜、誰か帰ってきてるんじゃないの、早く寝なさい…」とサラッと答えて、さっさとトイレに向かってしまい、私は首を傾げながら部屋に戻りましたが、翌日、怪談中に仏間の方を気にしていた従兄弟にその話をしたら、「気のせいかも知れないけどボクは沢山の人がいて何か話しているような感じがした…」と言ってました。

従姉妹の言う通り、お盆でしたから、亡くなった身内がたくさん戻ってきていたのかも知れません。

 

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[この怪談は…ここまで……です…]


 

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