【不思議体験記】みなさんからの投稿~墓地を移動して建てられたアパートでの心霊体験~「慣れてしまうとそれほど怖くもなく不思議な体験」~(12月2日)[No.0292]
墓地を移動して建てられたアパートでの心霊体験
投稿者:くろさん
投稿日:11月25日(水)
長くなりますが貴重な体験です。もう30年近く前のはなしです。
先ずは友達の話からしないといけないと思うので書きます。
当時スゴく仲のいい友達がいて同じ小さな会社に勤めていました。その友達は母親が霊媒師で、よく真夜中に真っ暗な玄関で誰かと会話していて火の玉が浮いていたらしいです。
その友達もお坊さんになる修行をしたらしく名前もお坊さんのそれっぽい名前でした。
その友達はとにかくスゴくて、一緒にパチンコ屋に行くと次にどの台が当たるか当ててしまいます。『次はあの台、その次はあの台』みたいな感じです。
でも、自分の時は分からないそうです。ギャンブルとか、自分がやる時は全く分からないと言っていました。そういう物らしかったです。
もちろん、霊感もスゴくて当時付き合っていた彼女のアパートの窓からアパート裏の森の中に光る目を見つけたりとか…
本題ですが、当時僕は30才手前で人生に係わる悩みを抱えていました。訳があってその友達の住んでいたアパートに居候していました。
友達の彼女も仲が良かったので1つの部屋に川の字で寝ていました。
そのアパートも元は墓地があった場所に建てられていてお墓は隣に移動されていました。そのせいなのか友達いわく『誰も廊下に居ないのによく人の足音、子供の走る足音がする』らしく、友達の彼女もその足音を聞いていました。
僕が居候はじめていつ頃だったか、いつもの様に3人で川の字になって『さぁ寝よう』と電気(吊り下げ型の紐の付いてる蛍光灯)を消してすぐに『ピシッ!』と部屋にあった小さな茶箪笥のガラス戸から大きな音がして、蛍光灯がグルングルン回りだしました。
僕は冷や汗かいたのですが、友達と彼女は慣れているせいか『恐いよ~』なんて少しふざけながら布団被って寝てしまいました。
そんな事が毎晩続く様になって段々ラップ音も大きく酷くなり、そんなある夜いつもの様に電気を消すと激しいラップ音と蛍光灯がグルングルン回り出し僕の布団の上の足元に明らかに人が乗る気配がしました。
内心『うわぁ来た!』と思いました。霊感はそれほど強くなかったので初めての体験でした。
すると、今度は掛け布団をズルズルと下の方にひっぱりはじめたのです!怖くなって掛け布団を上に引っ張るとまた下の方にズルズル引っ張る…こんな事があったのです。
次の夜からは電気を消すとラップ音→蛍光灯が回る→じわりと誰か布団に乗ってくる→掛け布団を引っ張る。こんな事が何日か続きました。何故か僕の上にだけ乗ってきて僕の掛け布団だけを引っ張るのでした。
不思議と金縛りにはなった事はありませんでした。もちろん友達にも話して夜電気を消してからその場を見てもらったりもしました。
友達いわく『悩みがあると幽霊は集まってくるから』らしく、夜中にいきなり窓を少し開けて誰も居ないのに話をし出してお経を唱えたり…『僕が悩みがあるみたいで幽霊が来た、お経をあげて帰ってもらった』そんな事もありました。
部屋と部屋の間の15センチもない壁の中からガリガリと誰かが引っかく音が聞こえてきたり…とにかく恐い事ばかり起こっていました。
そして決定的な事が起こったのです。
いつもの様に夜電気を消すとラップ音→電気が回る…その時です、僕の掛け布団の上の方を誰か捲ってきたのです!うっすら目を開けると透き通る様な真っ白な細い手が肘の辺りまではっきりと見えました。
死にそうな位怖かったのですが、その何日か前に友達に『なんで出てくるのか?何の用か聞いた方がいい』と言われていたので、意を決して『何!何で出てくるの?』と布団を捲りながら大声で叫びました。
もちろん何の返答もありません。友達も飛び起きたのですが…
僕はまた布団を掛けて半ば開き直って寝てしまいました。不思議な事にそれからはラップ音も電気が回る事もなかった様に記憶しています。
友達はさすがに怖くなって彼女のアパートに寝泊まりする様になって、僕はその体験があった隣の部屋で電気を付けて寝る日がしばらく続きました。
僕が思うに、友達がものすごく霊感があった事、僕が大きな悩みを抱えていた事、墓地を移動して建てられたアパートだった事。何れかの理由であんな体験をしたんだと思います。
多少の霊体験はありますが後にも先にもこれ程の体験はありません。慣れてしまうとそれほど怖くもなく不思議な体験でした。
[この怪談はここまで…です…]