【怪談祭り2020】みなさんからの投稿~金縛りの最中に見えた光景~(8月21日)[No.060]
金縛りの最中に見えた光景
投稿者:もみさん
投稿日:8月20日(木)
学生時代、授業中に体験した出来事です。
当時、授業中が眠くて眠くて、その日も眠気にあらがえず、両腕に頭を入れて机でウトウトしてしまいました。
授業の先生の声が聞こえるなか、いきなり金縛りにかかってしまいました。
「教室で金縛り!?︎」と驚きつつ、頑張って金縛りを解くべきか、せっかくなのでこのまま寝てしまおうか迷っていると、急に周りで大勢のにぎやかな声が聞こえてきました。
授業が終わったのだろうかと思いましたが、金縛りで動けません。その声は大勢の女性達の声でした。
騒がしいなぁ…と思っていると、その声の主たちが、私に気づいたようで、騒がしい声がだんだんこちらに近づいてくる気配を感じました。
「どうしよう、怖い!」と思ったとき、すぐそばで男性の怒鳴り声が聞こえました。その瞬間、にぎやかな声が消え、静かになりました。
金縛りで動けませんが、腕の脇の間から、そっと教室を覗くと、そこは教室ではありませんでした。
ミシンのような作業台がズラッと並んだ工場のように見えました。人はいませんでした。
「教室ではなくなっている!?︎」と驚いた瞬間、金縛りも解けました。顔をあげると、先生の授業の声だけ聞こえるいつもの授業中の教室でした。
学校が建つ前にそこに何が建っていたかはわかりませんが、その出来事の後にTVで見た、戦時中の女性達が作業をしている工場にとても似ていると思いました。
それからも教室でウトウトとすることはありましたが、授業中に金縛りにあったのはそのとき限りです。
[この怪談は…ここまで……です…]