[素敵なやさしい発明]シカと電車の事故防止「シカ踏切」が絶大な効果を上げているっ!
世界一の鉄道大国、日本。
電車なくしてボクたちの生活は成り立たないくらいに、鉄道は日本の社会活動の根幹を支えてくれています。
安全で環境にも優しく、時間に正確な乗り物ですが、自然豊かな地域や山間部を走っている列車に多く見られる事故があります。
それは、クマやイノシシなどの野生動物との接触事故。
山間部などの路線が多い近鉄では、年間に200件以上も発生しているとのこと。
その中で特に多く見られるのがシカとの接触です。
接触事故が起これば電車が遅れることはもちろん、年間多額の損失が出ているそうですが、それよりも何よりも、懸命に生きている動物たちの命が数多く失われていることが大問題です。
動物愛護の観点からも、鉄道会社各社はこれまでに野獣防止ロープなどの対策を行ってきましたが、ほとんど効果がなかったそうです。
そんな中、ある画期的な発明が誕生しましたっ!
その名も「シカ踏切」
グッドデザイン賞も受賞したというしかシカ踏切とは、一体どのようなものなのでしょうか?
「シカ踏切」絶大な効果、逆転の発想が生んだ接触事故対策
シカと電車の接触事故を減らそうと、近畿日本鉄道が導入した「シカ踏切」が絶大な効果を発揮している。
運行時間帯はシカが嫌がる超音波で線路から遠ざけ、終電から始発までの夜間はそれを止め、自由に線路を横切れるようにするという画期的なシステム。
奈良、三重両県の大阪線の一部に設置したところ事故件数が激減し、他の鉄道会社も試験導入を始めた。
野生動物を排除するのではなく、人間との共存を目指す-。導入に至ったきっかけは、一人の鉄道マンがひらめいた「逆転の発想」だった。
シカ踏切の仕組みはシンプルだ。
線路沿いにステンレス製の「獣害防止ネット」(高さ2メートル)を張り、その一部にシカが横断可能な数十メートルの隙間をつくる。
シカは日没から早朝にかけて移動するため、夜間や明け方の運行時間帯だけシカが嫌がる超音波を隙間に発信して侵入を防ぎ、電車が運行しない深夜は装置を停止させ自由に線路を渡れるようにする。
線路を道路に例えるならば、獣害防止ネットはいわばガードレールで、超音波を発する装置は横断歩道の信号だ。シカにとって、超音波は「ジェット機の爆音のように聞こえる」(近鉄の担当者)という。
(中略)
動態調査の過程では、衝撃的な映像も目にした。シカの親子が線路を横断中、3頭の子ジカのうち最後尾にいた1頭が渡りきれず、電車にはねられてしまったのだ。
母ジカは約40分間その場を離れず、事故に遭ったわが子を悲しげに見つめ続けていた。
「本当に悲しくなった。何とかしなくては……」。匹田さんは強く思ったという。
こうしてシカ踏切は28年5月、東青山駅構内に初めて設けられ、29年3月には奈良県宇陀市の榛原-室生口大野間にも設置された。
東青山駅構内では27年、シカとの接触事故が過去最高の17件を記録したが、設置後の3年間で被害はわずか3件。
榛原-室生口大野間でも、同年に10件以上あった接触事故は設置後、1件にとどまり、効果が確認された。
シカ踏切は昨年度、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞も受賞した。
「人間が安全な踏切を必要とするように、シカにも安全な踏切が必要。犠牲となった多くのシカの存在により、シカの目線で問題を捉えることができた好例だ」(審査委員)と評価されたのだ。
(中略)
野生動物への「優しさ」から生まれたシカ踏切。
匹田さんは「昔は鉄道もなく、動物社会があったところに人間が後から割り込んできた。シカと人間が互いに安心して暮らせる環境が整えば」と話している。
動物たちを思いやる優しい動機から誕生した「シカ踏切」
シカ踏切が誕生したことによって、多くのシカがその一生を全うできるようになるはずです。
これからこういった素晴らしい発明がどんどん誕生することを心から願っていますっ!
ボクたち人間は、たくさんの便利な物に囲まれ、物質的に豊かになりましたが、その裏で犠牲になっているたくさんの命があることを忘れてはいけないと思います。
そして思うだけではなく、自然環境保全や動植物保護などの活動をボクたちが支えていくことが、とても大切なことだと思います。
[このページはここまで ですっ!]