【地震学】地震学者の卵、バシさんによるQ＆A～三陸沖の地震について～「これ以上地震が…」「震源が海溝から外側になりますと…」「2011年東北地方太平洋沖地震と同程度の…」～(11月12日)[No.013]
バシさんについて
バシさんは現在、大学で地震学を専攻なさっています。
また、地震が起こる方向に向いている耳が押されるような地震体感が現れる時があるとのことです。
Q.三陸沖の地震について
投稿者：秋さん
投稿日：11月10日(月)
専門的に勉強されてる方のご意見を聞きたいのでよろしくお願いします。
１１月４日から始まった三陸沖の群発。
しばらく落ち着いていただけに異様に感じます。当然、大学仲間や教授が言及してもおかしくない状況です。
話せることと話せないことがあると思いますがよろしくお願いします。
A.「2011年東北地方太平洋沖地震と同程度の…」
回答者：バシさん
投稿日：11月11日(火)
秋さんへ、ご質問ありがとうございます。
ご質問の件ですが、三陸沖はよく地震の起こるエリアですので、これ以上地震が続かなければ大丈夫だと考えております。
ただ、震源が海溝から外側になりますと、アウターライズ地震と呼ばれ、2011年東北地方太平洋沖地震と同程度の地震が発生する可能性がありますので今後の地震活動には注視しています。
以上になります。
ご回答ありがとうございます。
地震情報のページでもお伝えしているように、11月9日に三陸沖でM6.9の大地震が発生しました。
三陸沖ではこの地震の前後にも多数の地震が発生しており、M5～M6クラス以上の地震も発生している状況です。
昨日(11日)は、有感地震がゼロだったので、バシさんがおっしゃっているようにこれ以上地震が発生しなければ大丈夫かなと思うのですが、バシさんが挙げられている「アウターライズ地震」の発生も懸念されます。
アウターライズ地震(海溝の外側で起こる地震)については、これまでに何度かお伝えしたことがありますが、もし、アウターライズ地震が起きたら、東日本大震災(M9.0)の津波よりも大きな津波が発生すると予測されています。
アウターライズ地震は震源が陸地からは離れるので、規模にもよりますが揺れは東日本大震災以下になるはずですが、反対に津波は大きくなると予測されているので、東北エリアの太平洋側沿岸を中心に甚大な被害が発生してしまう恐れがあります。
東日本大震災(M9.0)の震源よりも遠くなるということは、津波が沿岸に到達するまでの時間も長くなりますし、当時の教訓から速やかに避難行動に移れる方も多いと思うので、人的な被害については最小限で済むと信じています。
東日本大震災(M9.0)から14年が経ちましたが、地球が誕生してから続いている地殻変動の歴史から見れば、10年20年などは一瞬にしか過ぎませんので、これから先も決して油断してはいけないと思います。
やはり、常日頃からお伝えしているように、防災意識をしっかりと持って暮らすことと地震への備えを日々チェックして万全にしておくことは必須です。
そして、有事の際にはパニックにならずに冷静な行動を心がけることで、大難を小難へと変えることは可能なはずです。
地震大国である日本で暮らす以上は、来るべき次の震災級大地震(南海トラフ巨大地震や首都直下地震など)発生を想定して備えておく必要があります。
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