【怪談祭り2026】みなさんからの投稿~黒い影~「どなたかご覧になった方はいらっしゃいませんでしょうか」~(8月10日)[No.003]
黒い影

投稿者:藍結さん
投稿日:8月8日(土)
猫影(猫のような影)を見ました。
形は猫で、その動きも猫に似ているのですが、実態はなく、黒い影なのです。
三年前の初夏の頃、飼い犬(4キロの小型犬)を連れて車で海に出かけ、その帰宅時のことです。
車庫に車をバック駐車した時、車のバックモニターに猫影が映りました。(残念なことに録画機能は付いていません)
猫影は、車が車庫に入って来るのを待ち構えていたかのように、突然車庫の中に飛び込んできて、車庫の壁を勢いよく駆け登り、大きく弧を描きながら滑るように駆け下りていきました。
その姿は猫に似ているのですが、猫よりも俊敏で、影なのに筋肉を持っているかのように体をくねらせながら駆け抜けていきました。
それは一瞬の出来事だったのですが、私の体が凍り付いたのを覚えています。
猫影の正体をネットで調べていたら「猫の形をした影のようなものを見たら死ぬ」などと書かれているのを見つけて、ますます気味悪く怯えていたら、飼い犬が癌になりました。
猫影を見てから一か月も経っていなかったと思います。猫影が駆け下りた場所は助手席側で、助手席には飼い犬が座っていました。
当時、飼い犬は12歳になったばかりでしたが、とにかく元気な犬で、毎日の散歩時には満開の笑顔で走り回りますので、よく幼犬と間違えられました。
食欲も旺盛で、血液検査もいつも正常でした。
それが突然、犬の後ろ左足の付け根付近に柔らかなふくらみが出て、慌てて病院に行ったところ癌と診断されました。
すぐに紹介状を書いてもらい、癌専門の病院を受診しましたら、検査の結果「リンパ腫ではありませんが、組織球性肉腫も考えられる血液の癌です。この子は治りません。これから苦しみますので安楽死も考えて下さい」と言われました。
老犬で心臓も少し弱っていましたので、足を切る手術には耐えられないと言われ抗癌剤での治療が始まりました。
この年の7月から3週間ごとの抗癌剤注射を開始したところ、副作用もなく元気一杯で、秋には腫れが消えたのですが、又すぐに再発し、12月の終わりには抗癌剤が以前のようには効かなくなってしまいました。
ただ、飼い犬は元気で、痛がることも苦しむこともなく、毎日散歩にでかけ、よく眠り、食欲も旺盛で、体重が落ちることもなく、抗癌剤を打つ前の血液検査も問題ありませんでした。
一昨年の4月1日の深夜、突然、飼い犬の呼吸が荒くなり2時間ほど苦しんだ後、痙攣を起すと、そのまま息を引き取りました。
飼い犬が苦しむ姿を見たのは、この2時間だけで、最期の日も1時間以上も海で散歩をし、帰宅後は美味しそうに食事をして、最期は私の腕の中で亡くなりました。
猫影を見た当初は、猫影のせいで飼い犬が癌になったのかなと思っていたのですが、飼い犬が闘病中に苦しむことなく過ごせたのは、この猫影のおかげだったのかなと思ったりもしています。
猫影が飼い犬を殺したのか、それとも守ったのか、いいや、飼い犬の死を知らせるために現れたのか、いや、やはり、たまたま通りかかった猫影を私が偶然目にしただけのことで、飼い犬の死とは何の関係もないのか。
この猫のような影は、一体何なのでしょう。
どなたかご覧になった方はいらっしゃいませんでしょうか。
[この怪談は…ここまで……です…]

