【怪談祭り2025】みなさんからの投稿~白い気体~「私に真っ直ぐ塊で向かってきた」「意思があるかの様で…」~(7月22日)[No.001]
白い気体
投稿者:アメジストさん
投稿日:7月21日(月)
怖い話ではないですが、去年の春(2024年5月)に体験した不思議な出来事です。
心霊現象かどうかも判りません。
その日の夕刻、私は丸の内線の銀座駅のホームに立って居ました。
勤め先からの帰り道で、普段通りに電車を待っていたのです。
そこはホームドアの付近でしたが、私はいつも人が群がっている場所を避けて電車を待っているので、周囲にはあまり人が居なかったと記憶しています。
定刻通りに車両がホームに入って来ました。
ドアから垣間見える車両の中は特に混雑している様子も無く、いつも通りの運行状況だと思いました。
ドアの右端で待っている私の目の前で、車両のドアが開きました。
私はまず降りてくる人が居るだろうと身構えながら顔を正面に向けたのですが、その瞬間、予期しない出来事が起きました。
前方から私の顔面をめがけて、白い煙の様な気体状のものがモヤモヤと動きながら、ゆっくりと飛んできたのです。
大きさは直径30センチ位の丸い塊でした。
私は咄嗟に顔を背けました。その白い気体を見た瞬間に想像したのが「薬物か何かの車内テロかも知れない」という事だったからです。
逃げられないけれどマトモに浴びたら大変な事になると思ったのです。
顔が爛れるとか、そんな最悪の想像をしました。
顔を背けて首をすくめたので顔面には触れませんでしたが、避け切れず、その塊は私の頭の左側にぶつかりました。
そしてぶつかった瞬間に、その塊はパッと消失しました。
「冷たい!」というのがぶつかった時の感想です。
形状が丸いので煙か湯気のようなものを想像していたのですが、冷たくて荒い水の粒が沢山当たった感触でした。
「もしかしてこれって雲?」という感じです。
一瞬で乾きましたが、当った瞬間は確かに濡れた冷たい感触がありました。
その一瞬の出来事のあと、車両から何事も無かったかのように数人の乗客が降りてきて、私の側を通り過ぎていきました。
恐らく誰もその出来事を見ていないのです。
私は狐に摘ままれたように茫然としたまま、その車両に乗り込みました。
車内の雰囲気はいつも通り落ち着いていて、乗客が何か普通でない事をしたような不審な動きはありませんでした。
それがどこから来たのか考えましたが、電車のドアが開いた瞬間にそれが現れたので、最初は車内から出てきたと思いました。
但しその場で(ホーム)で形成された可能性も否定はできないです。
何かの条件が重なって自然に形成された雲だったのでしょうか?
でも、5月なのでホームと車内の温度差もさほどでは無かった筈です。薄く広がらずに丸く纏まった形に出来る事も何だか不自然です。
仮に車内から来たなら、ドアの正面で漂うのではなく、右側に立っている私に真っ直ぐ塊で向かってきたのも、意思があるかの様で腑に落ちないです。
頭にぶつかった瞬間、何の余韻もなく風船が割れたようにパッと消えたのも不思議です。
電車に乗ってからも暫くは、「何かの薬品の霧だったらどうしよう。頭に触れてしまったけど大丈夫かな?」とドキドキしていましたが無害だったようで、その後は何事もありませんでした。
[この怪談は…ここまで……です…]