【地震学】地震学者の卵、バシさんによるQ&A~地震体感について~「日本人口の約一割は…」「地震予測の精度を上げる方法…」~(5月6日)[No.001]
Q.地震体感について
投稿者:秋さん
投稿日:5月5日(月)
地震体感について、地震学の観点からどの程度信憑性があるとお考えになりますか?
私自身は、体感らしき症状について日常で気にしています。
ですが、ひっきりなしにある低気圧による気象病症状、頭痛、耳鳴り、眠気などが、地震体感と症状が似ているために、区別をつけるのが難しいです。
地震体感を疑う症状がでたときにまず低気圧を確認できるサイトで確認して少しでも区別をするよう気を付けてますが、低気圧と地震は関係があるという説もあり、ことは簡単ではありません。
注意してチェックしてると、低気圧が強くなる前、例えば前日から症状が出始めることが多いです。
それ以外にも、日本が地震大国であるために、1年、半年、一か月単位で見たときに、実はM5程度はかなり回数が多いです。
海外も含めると頻度が多く、Mを低い標準に合わせるほど当たりやすくなるというジレンマも抱えます。
地域まで指定すると範囲が狭まるため、また話は違ってきます。
個人的には、Mより揺れを示す震度が大事と考えますが、地震体感では震度をとらえるのは難しい?と感じることもよくあります。
大きな被害が出るレベルは、震度6以上だと思うので、もし事前に震度6以上がわかれば意義が大きいです。
また、地震体感という前提でも、できるだけ精度をあげていくことが大事だと考えますが、そのためにどのようにすれば精度があげられるのか、地震学で専門的に学んでいらっしゃるので何かわかるのではないかと思い質問します。
A.「日本人口の約一割は…」「地震予測の精度を上げる方法…」
回答者:バシさん
投稿日:5月5日(月)
秋さんへ
ご質問ありがとうございます。まず地震体感についてですが、正直に申しまして信憑性は限りなく低いです。
理由としましては、科学的根拠がなく、本当に地震の影響なのか証明をすることができないからです。
ただ、地震体感を持っている方は実際にいらっしゃいますし、日本人口の約一割は持っていると言われております。
特に不思議探偵社さんの方に集まっている方々はその中でも特に強く出る方のようですので、今後の研究によっては、人間には地震を察知する能力があると証明出来る可能性も否定できません。
この点については本当に分からないことの方が多いです。
次に低気圧の件ですが、これは気圧低下によって水分バランスの乱れや自律神経の乱れによる体調不良になります。
また、テレビ等の天気図にある低気圧の表示は、その場所が周りで一番気圧が低いことを示しており、そこに向けてだんだん気圧が低くなっていくため、前日から症状が出ることは何も不思議なことではありませんので安心してください。
次に地震についてですが、M5クラスの地震が非常に多いのはまさにそのとおりで、実際日本では平均して1週間に1回は発生しているため頻度としては多いです。
また、震度を地震体感によってとらえることはまず出来ません。
理由としましては、簡単に言いますと、マグニチュードが分からないと震度を予測出来ないからです。
地震体感はそもそも地震発生前の何らかの異常を捉えている可能性があり、その発生源は地震の発生する震源、もしくは震源域になります。
揺れというものはそもそも地震が発生しないと起こらない現象ですので、震度を地震体感で予測することは出来ないとお考えください。
最後に地震予測の精度を上げる方法についてですが、今のところ、過去のデータと現在の観測データから読み取る他有効な方法はありません。
しかし、その過去のデータも、数字が残っているものは今から約100年前からのものになり、それよりも前のものになると、文献から地震と思われる文面を見つけるといった方法になるため、圧倒的にデータ数が足りません。
地球は約46億年前に誕生したと言われているため、その中の僅かな期間の記録しかないことになります。
ちなみに未だに人間が地震を予測することができていないのには、このデータ数が足りていないことも理由です。
そのため、精度を上げるには最低でもあと2〜300年分のデータを取り、そこから辛うじて分析により地震の頻度を細かく割り出していくことになります。
ただ希望として、地磁気を測ることでの予測が出来るのではないかということで研究がなされており、これが確立すると地震予測の方法の一つなる可能性があります。
長々となってしまい申し訳ないです。
これで私が分かる範囲での質問への回答が出来ていると思います。
もし分からない点がございましたらまたお答えいたしますのでよろしくお願いします。
バシさん、ご回答ありがとうございますっ!!
おっしゃっているように、「地震体感」については科学的に実証されているわけではないので、科学的にはその存在を肯定することが不可能です。
しかし、経験則的には「地震体感」はあると判断して間違いないかと思います。
不思議探偵社.に掲載しているみなさんの地震体感を振り返ると分かるように、地震が起こる前に何らかの影響を身体に受ける傾向があり、それを感じ取ることが出来る方はいると言えます。
また、地震体感後の地震発生率(的中率)については、例えるなら野球の打率のようなものとして考えて良いのではないかと思います。
野球では打率3割を超えれば優秀な打者ですが、地震体感の場合は7割を超えればかなり優秀で精度の高い体感持ちだと考えています。
そして、精度の高い地震体感をお持ちの方から体感のご報告があったら、防災意識を高める習慣をつけることが地震体感との正しい付き合い方ではないかとも思います。
つまり、地震体感は数字で明確化できるようなものでなく、人間の感受性に左右される「曖昧な事象」とも言えますので、これまでに何度もお伝えしているように、記録と検証を繰り返すことによって、感覚による曖昧さを下げて、防災へとつながる有益な情報にすることは可能だと思っています。
そして、バシさんが地震予測への希望を見出している地磁気の変化ですが、実際に大地震が発生する前に地磁気の変動が観測されていますから、データの蓄積が進めば、地磁気の変動による地震発生時期や規模、場所も予測することが出来るようになるのかも知れません。
また、地磁気の他にも大気中のラドン濃度や、電離層の電子数に変動が起こることも確認されていますから、一つのデータだけでなく、複合的にデータを活用することによって将来的には精度の高い地震予測が可能になるような気もします。
将来、バシさんが地震学者になり、地震予測において画期的な発見をすることを強く願っていますっ!!
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