【怪談祭り2023】みなさんからの投稿～『残留思念』か『前世の記憶』か～(8月6日)[No.026]

『残留思念』か『前世の記憶』か

投稿者：ひろさん
投稿日：8月6日(日)

カプセルホテルに泊まりました。

陰気な雰囲気に気が滅入り、脂っぽい体臭が残っているのも気になりました。

部屋の中は船の個室に似ています。今にも揺れそう…。

夜、夢を繰り返し見ました。

第二次世界大戦中の外地に居る小さな日本人の少女で、私は孤児でした。

自然豊かな低山の間を流れる大きな川を下る船に乗り、九州回りで日本へ避難していくようです。

学校の職員や、軍人も同乗しています。

女性は日本髪に和服。私は子どもなのに、一番偉い軍人にわずかに残っている酒をお酌しろと言われました。

しかし、その船は岸や上空から攻撃されて、私は血をたくさん流して死にます。

船から一人で逃げ出そうとして、日本人の大人に日本刀や銃で殺されたりもします。

なんとか下船しても、帰国できないまま山の中で死んでしまいました。

私は転生ものの主人公のように、何度も死を迎えるのです。

自分が死なない為に分岐を変えようと必死になりました。6回失敗して、少女のままでは船から逃げても駄目だと思います。

最後に屈強な若い男性に憑依します。

投降に反対する大人を日本刀で切り捨てて粛清し、小さな子ども達を助けられるようにするのに成功した所で目醒めました。

もう夜明けでした。

飛び込んだ川の、底が見える程澄んだ水や、刃で人を切る時の重い歯応えが妙に生々しく感じました。

もしかしたらこの部屋の以前泊まった人の残留思念なのかもしれません。あるいは私自身の前世記憶なのかも。

マンガで転生ものを読む時は気軽だけど、当人は大変…。平和ってほんとうに大切だと再認識しました。

(レオコメ)
これは前世の記憶ではないでしょうか？

残留思念を拾ったなら、もう少しボヤけた光景を見るような気がします。

ただ、泊まったホテルが建っている土地で、夢に見たことが過去に起こっていたとしたら、少女のやり切れない想いが今も残っていて、それが影響して見た光景だったのかも知れません。

本日8月6日は広島に原子爆弾が投下された日です。

78年前の8月6日に原子爆弾が一瞬にして数万人の命を奪いさりました。

ひろさんがおっしゃっているように、平和は本当に大切でかけがえのないものだと思います。

[この怪談は…ここまで……です…]

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