【怪談祭り2022】プレイバック編～雲のようなもやもやした塊～(8月22日)[No.084]

お葬式のお手伝いに行った時の不思議なお話です。

その日は親戚のお葬式のお手伝いをしていました。亡くなった日から葬儀が終わるまでの数日、その家で集まる皆様にお茶を出したり、食事の支度をするのです。

告別式の午前中のことです。

二間続きの和室の奥にご遺体があり、手前の部屋に親族が座って納棺師の方と装束を着せたりしていたのですが、部屋がもう一杯で、私は一番うしろの廊下にはみ出して座っていました。

すぐ横が玄関で、引き戸は開け放たれていましたが、雲のようなもやもやした塊が天井付近をゆっくりと入ってきたのです。

その形はひと形で四つん這いみたいに手足も分かる形でした。大きさは生きているときと同じ感じでした。

最初はギョッとしましたが、すぐにおじさんの魂なんだなと納得しました。

モゴモゴと動きながら奥の方でその雲のようなものは見えなくなりました。