【怪談祭り2022】プレイバック編~神社で起きた奇妙な出来事~(8月20日)[No.081]
神社で起きた奇妙な出来事
投稿者:鳥居大路家の愉快な仲間たちさん
投稿日:2020年8月8日(土)
恐怖体験というほどではないかもしれないですが。。
私の家族、親族はかなり前の代から京都のとある小さな神社をお護りしていて、その神社と私の祖父母の家は向かい合うように道路を挟んで並んでいます。
まっすぐ向かい合うのではなく、祖父母宅の正面玄関からみると神社はやや右方向にそっぽを向くように位置していて、完全に正面を向き合う位置ではない変わった配置をしています。
小さい時からずっと慣れ親しんだ景色でしたので、これが普通だと思い、特に違和感を感じなかったのですが、私が大学生になって初めての夏休み、大学生になって出会った地方から来ていた友人と祇園祭に行こうと客間の多い祖父母宅で一緒にお泊まりすることになりました。
祖父母宅は正面玄関を入ると正面やや左側に大階段があり、それを登ると右へ一直線に廊下が伸びて、突き当たりは納戸になっています。
廊下左側はすべて裏庭に面していてガラス戸で、廊下右側は4部屋が順番に並んでいます。
各部屋は道路に面して窓になっていて、全ての部屋から神社が見えます。
当時、二階は全て空き室になっておりましたが、昔私がよく使っていた廊下1番奥の部屋に友人を案内した後、窓からの景色を見た彼女が開口一番、「あの神社へ行く人は道路から向かうと変な角度だね」と言ったので、その時初めて私は神社の位置がちょっと変わっているんだなぁと認識しました。
その後、神社の話も出ることなく、お夕食やお風呂も済ませて友人と部屋で電気を消してお布団を並べて横になったまま尽きることなく色々な話に花を咲かせ、さて寝ますか、という時に友人が母屋の横にある御手洗へ行きました。
私は次の日どこに行こうか電気の消えた部屋で寝転びながらワクワク考えていると、廊下をできるだけ静かに、しかし慌ててやってくる足音がして、友人がなんとも言えない不思議そうな顔をしていて、部屋へ戻ってくると一直線に窓際へ向かうので、「どうしたの?」と聞くと、無言で手を引かれ一緒に窓の外を見ることになりました。
そこにはいつも通り、街灯にささやかに照らされている神社前の道路があり、神社の鳥居前と本殿周囲に電気の提灯が下げられている景色でした。
すぐには友人の意図がわからず、彼女の正面を見据える横顔を見つめていると、彼女がぶるっと震えて言いました。
「神社の中に扇風機ってある?」
神社の本殿は締めきっているが、扇風機は置いてなかったと記憶していたので「ないはずだよ」と答えると、「お参りの時に鳴らす鈴の下にある布?あんなに横にまっすぐなるのかな。。」と言いました。
私がよくよく目を凝らして本殿を見ていると、本殿から鳥居へ横一直線に5、10本くらいの真っ白な布が洗濯物を干しているかのようにパタパタと揺れていました。
本殿はこちらからは横を向いていたので実際見えるのは柱に邪魔されてそんなに長さのない布が数本。
ですが、外は無風状態。布が見えたすぐそばの吊り下げ提灯も全く揺れておらず、本殿には扇風機もない。。
例えば扇風機でパタパタさせたとして、本殿からの距離を考えてあんなに長い布がずっと横真っ直ぐになびくのか?など頭の中でフル回転で考えて思わず私は、「あ!」と声を出していました。
神社本殿の鈴を引く布は赤色で白ではありません。
怖くなって私は友人の腕を掴んで布団にダイブしました。窓の外を再び見る勇気も、また障子を閉めることも恐怖でできず、そのまま友人とひとつの布団で丸まりそのままいつの間にか眠ってしまっていました。
次の日、私たちが見たものを祖父母へ言っても「なんだろうか」と答えも出ず。
それからなんとなく気味が悪くて神社のお掃除も行けず今に至ります。。
あれって一体何だったのでしょうね…
[この怪談は…ここまで……です…]