【怪談祭り2022】プレイバック編~「あの世から呼ばれてこちらにやってきているのかもなぁ」と思った出来事~(7月20日)[No.032]
2022/07/20
「あの世から呼ばれてこちらにやってきているのかもなぁ」と思った出来事
投稿者:もみさん
投稿日:2019年7月31日(水)
何年か前に母方の田舎の法事に行った時の出来事です。
田舎は遠方にあり、母と2人で法事の前日に叔父の家に泊めさせてもらうことになり、叔父の家に到着して、私は疲れで夜早めに眠らせてもらいました。
母や叔父たちは夜遅くまで居間で昔話に花を咲かせて盛り上がっていたそうです。
後日聞いた話しですが、このとき母は子供のときに一緒に遊んでいた従姉妹?の話をしていたらしく、その従姉妹は幼くして命を落としてしまったそうです。
そんな話しを母たちがしていることも知らず、寝室の布団で、私は爆睡していたのですが、夜中にふっと、そばをミシミシと歩く音と感覚がしてきました。
そっと目を開くと、目の前に小さな裸足の足が畳の上を行ったり来たりしているのが見えました。
「これは見てはいけないものを見てしまった…」と思い、強く目を閉じましたが、その小さな足の女の子が、寝ている人たちの顔を一人一人確かめて歩いていることがわかりました。
徐々にこちらに近づいて来るのが分かり、どうすることもできずじっとしていると、私の顔を覗き込んできました。
目をつぶっているのに、その子の様子がよくわかりました。黒い髪のハーフっぽい目鼻立ちのしっかりした顔立ちの美しい少女でした。
無表情でじっとこちらを見つめてきて、私はただただ怖くてじっとしていました。
その子の表情が、この人も違うと言いました。(言葉は発していないのに気持ちがわかりました)
この子は誰を探しているんだろうと思っていたら、その子の心が聞こえてきて、「〇〇(私の母)に呼ばれて来た」と言います。
だけど母がみつからなくて寂しい表情をしながら去っていきました。私はとりあえずホッとして、そのまま朝まで眠ってしまいました。
次の日、法事は滞りなく行われ、親族一同でお墓参りに行きました。
田舎のお墓は一族で1つのお墓になっていて、塔のように大きな作りが東京住みの私には珍しく、あれこれぐる〜っと見てまわっていると、歴代の親族の名前と年齢が書かれている箇所があり、ぼんやり流し読みしていると、1人だけあきらかに年齢の幼い女の子の名前が刻まれていて、とっさに「この子は誰?」と聞いてしまいました。
叔母曰く、私の母の従姉妹にあたる子で、家庭環境に恵まれず、幼くして亡くなってしまったとのことでした。
私の母が言うには、「家庭環境のせいかいつも無表情な子で、ハーフみたいな美人さんだった」ということで、昨日夜中にやってきた女の子だ!!とわかり、すぐさま母や叔母たちにそのことを伝えました。
叔父は半信半疑でしたが、叔母や母は「気づいてあげられなくて申し訳ないことをした。お祈りをしよう。」と言ってくれました。
故人のお話しをするときは、あの世から呼ばれてこちらにやってきているのかもなぁと思った出来事でした。
[この怪談は…ここまで……です…]