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【命の旅立ち】トンネルのようなところへ~「今日を大事に生きて行きたいなと思います」~(9月18日)

トンネルのようなところへ

光のイメージイラスト

投稿者:さん
投稿日:9月8日(水)

レオさん、こんにちは。少し気持ちは落ち着かれましたか。

私は現在アラフィフで、何気に半世紀近く生きてきましたから、これまでにすでにもう何人かの人を見送ってきてますが、精神的に1番こたえたのは20代の時に父を亡くした時でした。

両親は年の差婚で、私が20代の頃には、父はすでに70代でしたので、そう遠くない未来に別れの日が来るのは漠然とわかってはいましたが、思ってたよりも早くに別れの日は突然やって来ました。

もう20代半ばの大人でしたから、もし高齢の父が病気などで亡くなったとしても、それほど取り乱す事もなく冷静に見送れると何となく思ってましたがダメでした。

成人するまで普通にずっと一緒に暮らしてたのなら、また違ってたのかも知れませんが、父親っ子だったのに、まだまだ甘えたい盛りに生き別れになってしまって、再会した矢先に今度は永遠の別れでしたから思うところが色々あり、メンタルは強い方だと思ってましたが、立ち直るまでに1ヶ月位かかりました。

父に持病があるのは知ってましたけど、そんなに悪いとは思っておらず、亡くなる少し前に少し入院したりもしてましたが、退院して薬は飲んでるようだけど元気そうな様子で、見た目も実年齢より若く見えるタイプだったので、まだまだ長生きすると思い込んでましたから、まさか突然亡くなってしまうなんて思いもよりませんでした。

その数日前、父から来た最後の電話を無視してしまったのを、20年以上経った今でも悔やんでます。

まさか急に亡くなってしまうなんて思ってませんから、あとでかければいいやと後回しにしてしまったのが最後の電話だったんです。

亡くなる前日にも最後に話す機会がありましたが、それも逃してしまいました。

父は車に詳しくて、車の事はぜんぶ父に任せてたんです。その当時に乗ってた車は、その年の誕生日に父が買ってくれた私への最後の誕生日プレゼントで、納入してくれた車屋さんが「お父様に病院に呼びつけられまして…」などと言われて、それで入院してるのを知って慌ててお見舞いに駆け付けた感じでした。

ですので亡くなる前日、これも後から思えば何らかのお知らせメッセージだったのかも知れませんけど、新車だし朝乗って来た時は何でもなかったのに、仕事が終わって帰ろうとしたらエンジンがなぜかかからず…。

父に連絡を取ろうとしたら社長が出てきて、社長がかけたら普通にかかったんでそのまま帰宅しましたが、一応念のために父に連絡しとこうかなと思ったものの、でも直ったんだから良いかなと思ってしまい、だけど、それが生前に会話できた最後のチャンスだったんです。

 

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年を取って初めてできた娘だったせいか猫可愛がりで溺愛されてましたが、父は若い頃はかなりのプレイボーイで源氏物語の光源氏さながらの女性遍歴ぶりだったようで、最初の奥さんと結婚して少し落ち着いたところをその最初の奥さんを亡くしてしまい、それで自暴自棄な生活に走って実家を勘当されたあと、自営業をしながら再び自由奔放に暮らしてたようでした。

50近くになって私の母と年の差婚で再婚して私が生まれると、母そっちのけで私に夢中だったらしく、母が躾のために少し叩いただけで激高されたと、今だに母に恨み言を言われてます。

確かに父は優しくて甘々なのに母は厳格過ぎて苦手で、父が家にいる時はいつも父にくっついていて、いない時は近所の親戚の家で従兄とずっといたり、子供のいないご夫婦の家に入り浸ってた記憶があります。

母も、父の前に違う人と結婚してたようですが、母は神経質で几帳面過ぎる性格なためか適応障害みたいになって戻ってきてしまったらしく、詳しい事は知りませんが生まれたばかりの男の子を最初の婚家に置いてきてしまったようです。

そして出戻りなどと言われて、なかなか再婚相手の見つからない母の噂をたまたま聞きつけた父が、母の実家に出向いて熱心に求婚して成婚に至ったようでした。

父は50近くになって年の離れた若い奥さんで大喜びだったようでしたけど、母は最初から父が大嫌いだったようで父を毛嫌いして冷たい態度を取り続けてたせいか、私が小学生のときにおそらく浮気が原因で(?)破局してしまいました。

その後、わずか1年で父のところに新しい奥さんと連れ子の兄が来たので、それまでは父の家に自由に出入りして勝手にしょっちゅう遊びに行ってた私に母が釘を刺し遊びに行くのを禁止されてしまい、その後ずっと会う事はなくなりました。

 

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もしかしたら連れ子の兄は血が繫がってるかも知れないと母は疑って、当時はしょっちゅう八つ当たりをされてました。

のちに、仲の良い友だちから「大映ドラマの世界みたいだよね〜、私ん家なんかフツー過ぎて…」と言われた事がありましたが、大映ドラマというのは昭和の時代に流行ったドロドロの昼ドラみたいな感じのドラマで、何年か前にドロドロの昼ドラが流行ってた頃に、何がそんなに人気なのかな?と試しに見てみたら、うちと同じような感じで、「これ騒ぐほどの話?…」と思ってしまった自分が少し悲しくなってしまいました…。

思春期〜になると、母からの白雪姫コンプレックス的な迫害がひどくなり、特に恋愛や結婚が絡むと狂ったようになるので、母から逃げるのに頼ったのが生き別れになっていた父で、当時はまだ携帯電話もない時代で公衆電話から連絡を取って迎えに来てもらい、最初は一緒に住む事を提案されて嬉しかったけど1人で暮らす事にしました。

父の中で私はずっと小学校低学年の頃の天真爛漫だった子供の頃のイメージのままでしたが、私はもう小学生の女の子じゃありませんでしたから、どう接して良いかわからなかったのもありますし、後妻さんも連れ子のお兄さんも良い方で同居に反対はされませんでしたが、父の新しい家庭に波風を立てるのもと思って遠慮しましたが、最後にもう一度だけ、また昔の子供の頃のように同居しておけば良かったと後々ひどく後悔する事になってしまいました。

そして亡くなった当日、これもやはり虫の知らせだったのか、会社帰りに父のところに寄ろうかなと、なんとなく車を途中まで走らせていましたが、再婚相手の奥さんとその連れ子の兄が、父の手前、私を邪険にはできないだけで、本当は迷惑なんじゃないのかなと気兼ねしてしまい…

電話で済むし、わざわざ行く必要もないかなと、やっぱり引き返してしまったら、自宅に着いて間もなくして父方の叔母が慌てた様子でやって来て父の死を告げられ、その場で泣き崩れてしまいました。

お通夜はショックのあまり出られず、お葬式の日に会葬者側にいた私に父の奥さんがこっちへ来るよう手招きしましたが、その場に立ち尽くしていると、父方の親族で唯一少しばかり付き合いのあった先ほどの伯母がサッと来て、遺族側の席に引っぱっていかれました。

晒し者になった気分で居心地が悪いのと、色んな感情が混ざり合って倒れそうでした。棺の中の父は、とても小さく見えました。

 

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それから1ヶ月くらいはちょっと1人になった瞬間に色んな思いがこみ上げて来て泣いてばかりいたし、何で出てきてくれないのかとも思いましたが、その内に出てきてくれないのは無事に成仏したからで、いつまでもメソメソしてたら気になって成仏できないよねと、だんだんと静かに冥福を祈れるようになりました。

気持ちが落ち着き始めてからに不思議な夢を見ました。

夢の中では私は父と生き別れた当時の小学生の子供になっていて、父はその当時に乗ってた車を運転しており、私はハンドルを握る父を黙って眺めていました。

父はずっと無言で無表情のまま、全体的にソフトフォーカスをかけたような白っぽくみえる空間といいますか、外の景色はうっすらセピア色にかすんで見えてはいるけど良く見えないような…

どのくらい走ったか、最後に車から降ろされた時に何を言っていたのかはなぜか起きたらわからなくなってしまいましたが、父は私に降りるように促し、ここから先は一緒に行けないみたいな内容だったと思います。

そして私を降ろしてから、その先のトンネルのようなところへ走り去るのを追いかけようとして目が覚めましたが、それがちょうど49日の法要の辺りだったので、もしかしたらですが、あの日を堺にあちら側に旅立って行ったのかも知れません。

時は流れて、私も今は親の立場で人生も半ばを過ぎてしまい、今のところ持病もないので平均寿命ボケで平均寿命までは必ず生きられるかのように錯覚してしまいがちですけど、元・同級生の子なんかでもすでに何人か亡くなってますし、子供達との時間を大切にして今日を大事に生きて行きたいなと思います。

ちなみに、件の母とは現在は和解しています。

では、長々とすみませんでした。今日はこの辺で失礼します。早く気持ちが癒えると良いですね。

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お気遣いのお言葉ありがとうございます。また、お父様の大切な思い出話もありがとうございます。

さんが20代の若い頃にお父様が旅立たれたとのことですが、十分過ぎるほどの愛情をいただいて、とても幸せな時間をお父様と過ごすことが出来たのではないでしょうか。

愛しい人や大切な人とは1日でも長く1秒でも長く一緒にいたいと思うものですが、大事なことは一緒に過ごした時が幸せだったかどうかだと思います。

不思議な夢ですが、まさにトンネルの先にあの世があって、さんとはあちらへと行く出来ないので、先にさんを降ろしてからお父様はあちらへと行かれたのだと思います。

夢の中で、さん小学生の頃の姿だったということですが、おそらく、お父様が思い描くさんの姿というのは小学生時代の姿だったからだと思います。

本当に人はいつ旅立つのかは分かりませんから、一日一日を大事に生きていくことがボクたちに出来る唯一の最善手だと思います。

 

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