【怪談祭り2021】みなさんからの投稿~ある冬の夜の出来事~「最後に会いに来てくれたんだ」~(7月30日)[No.012]
ある冬の夜の出来事
投稿者:モジャグリ男さん
投稿日:7月26日(月)
レオさん、いつも楽しく拝見させていただいております。これは、20年位前になりますが、霊感のない姉から聞かせられた祖母の妹の話になります。
祖母の妹は隣町に住んでおり、子供たちが巣立ってから、しばらく一人暮らしをしていました。
そんなことから、私の父がよく様子を見に行っており、私も幼い頃は、父や祖母と家に遊びに行ったりしていたのですが、中学生になると部活も忙しくなり、祖母の妹に会うこともなくなりました。
私が20歳頃の出来事と記憶していますが、当時、祖母の妹は病気で入院していました。病状などは覚えていませんが、危篤状態になりながらも、持ち堪えるというような状況が何度か続き、その度に病院から連絡が来ていました。
ある冬の夜、その日も祖母の妹の容態が悪く父と母が病院に行っており、普段は別の町に住んでいる私の姉が、たまたま帰宅していたので、二人でテレビをみていたところ、姉が一服すると言い外に出て行きました。
ちなみに姉はタバコを吸っていることを、家族に内緒にしていました(笑)
姉が外に出てからまもなく、自宅の電話が鳴り、祖母の妹が亡くなったと連絡がありました。
しばらく顔も見ていなかったので、なんだか申し訳ない気持ちの中、姉が外から戻ってきたのでそのことを伝えると「今、外で不思議なことがあった」と話しはじめました。
姉の話によると、外で一服していると雪の上を誰かが歩いて近づいてくる音が聞こえたので、慌ててタバコの火を消すと「何してるの?」と話しかけられたそうで、姉は近所の方かなと思い「星を眺めてたんです。」と答えたものの、声が聞こえた方を見ても誰もおらず、気のせいかと思い家に戻ると、祖母の妹が亡くなったと聞き、すぐにあれは祖母の妹だったんだと思ったそうです。
姉には怖いという感覚はなかったそうですが、逆にその話を聞かされた私は鳥肌が止まりませんでした。きっと最後に会いに来てくれたんだと思うと、もう少し顔を出しておけばよかったなと後悔しました。
そんな不思議な体験談でした。
[この怪談は…ここまで……です…]