【怪談祭り2020】みなさんからの投稿~「あれはいったい何だったのか…」~(8月19日)[No.057]
「あれはいったい何だったのか…」
投稿者:シーナさん
投稿日:8月18日(火)
今から十数年前の事です。
私が住んでいた都内某所の私鉄線路沿いに、瓦ぶき屋根の大きな屋敷がありました。高い塀で敷地内はよく見えませんでしたが、広い庭があり立派な植木もたくさんあったようです。
その屋敷の前は道幅3mほどの一方通行の細い道になっていて、普段は自転車や歩行者の通行がメインでたまに配達や郵便の軽自動車が通るくらいでした。
ある日、その屋敷の前を通りかかると、立派な門扉が取り壊され、工事用のシルバーのフェンスに覆われ、マンション建設の案内が掲示されていました。
樹木はほとんど切り倒され、母屋の解体を残すのみの平地になっていました。
駅から数分という好立地だったので建設デベロッパが目を付けたのかと思いますが、立派なお屋敷と庭だったので、私は内心残念に思っていました。
そんなある日のことです。その日は雨が降っていましたが、真夜中過ぎには小雨になっていたので傘もささずに帰宅していました。
その屋敷の前の細い通りにさしかかると、ふと足元に直径4〜5ミリくらいの細長いヒモが落ちているのに気付きました。
そのヒモは屋敷側から道をまたいで反対側へ、道の端から端までくねくねと横たわっていて、たぶん4mくらいはあったかと思います。
最初は建築業者がロープでも落としていったのだろうと思い、またいで通り過ぎようと思いましたが、濡れたアスファルトに横たわるそのヒモをよく見ると、ミミズの様にぜん動運動をしながら全体がちょっとずつ、まるで屋敷から這って逃れるかの様に道の反対側へ移動していていました。
動きはまさにミミズなのですが、どうみても全てが繋がっていて、こんなに長い生物は今まで見たことがないです。
当時は現在の様にスマホが普及していなかったので写真も動画も残っていませんが、あれはいったい何だったのか今でも不思議でなりません。
[この怪談は…ここまで……です…]