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【不思議体験記】プレイバック編~「三途の川のほとり」~たくさんの人をいっぺんにお迎えする時は準備が必要~(3月27日)[No.0173]
2020/03/27
三途の川のほとり
投稿者:海さん
投稿日:2018年10月2日(火)
かなり前ですが、不思議な夢を見た時のことを投稿します。
見たのは東日本大震災の約1か月前で、非常に印象的な夢でした。
夢の中で、私は友人と一緒に総勢8人位で連れ立って、新しく建てられたか、あるいは改修工事を終えたばかりのお寺を観光で訪れています。
境内は広く、大勢の観光客で賑わっていました。
庭には蓮の浮かんだ縦長の池があり、設えてある小さな滝から水が注がれていましたが、水面は濁っていて結構苔むしていました。
池の正面には真新しい仏像が安置されていて、花なども両脇に綺麗に活けてあり、全てがきちんと整えられているのに、そこにいると段々気が滅入ってきます。
(ここにはもう神様はいない。神様は去ってしまった)そう強く感じるのです。
時間も昼前なのですが、景色が色あせて見え始めました。そう感じているのは私だけで、友人たちは楽しそうに観光しています。
寂しい気持ちが募って耐え難くなり、私は皆に「ここを出よう」と提案しました。
お寺を出ると川沿いの道路に出ましたが、そこも薄暗く陰気に感じます。
それでも、右方向約1キロ先の、道を挟んで向かい側の土手に、雲間から光が差し込んで明るく輝いている場所があり、私は「そこに行こう」と提案しました。
早足でそこに向かい、ふと振り返ると私に付いてきた友人は1人しかいませんでした。
陽が照らしていたその場所には、非常に小さな、腰の曲がった無愛想で無口な老婆が1人いました。
近くには老婆の住まいと思われる木でできた小屋と、手入れの行き届いた花壇がありましたが、そこに咲いている花々が非常に美しかったのです。
全く見覚えのない品種で、花の大きさも大きくも小さくもなく、色もパステルカラーで一重咲き、そんな花が一面に咲いていました。
バラやユリのように豪華な花ではないのですが、「命が輝いている」と表現するのが一番しっくりくる感じで、とにかく圧倒的でした。
それらが露に濡れ、陽を受けてきらきら光っています。
花壇に近づこうとすると老婆に身振りで制止されましたが、その時の私は(生気を感じるものの側に行きたい)という思いにひどく飢えていたので、「分かっています。花には絶対触りません。花壇の中にも入りません。ただ、近くで花を見たいだけなんです」とお願いし、近寄って眺めました。
(この花たちは、本当に「生きて」いる)と強く、感じました。
干渉してはいけないものだということは本能的に分かったので、屈んで眺めた時も、吐く息もかけないように口元を押さえていました。
花壇には注意書きが書いてあると思われる木札が立っていましたが、筆字が達筆すぎて読めませんでした。
しばらく眺めた後、老婆に「ありがとうございました」とお礼を言って立ち上がり、遠巻きに私の様子を見ていた友人に向かって「ここにはまだ神様がいる。ここにはまだ神様がいるよ!」そう言っているところで目が覚めました。
ずいぶん後になって(恐らく東日本大震災に関係がある夢だったんだな)と気づきましたが、どう関連するかが分からず気になっていました。
機会があってつい先日、霊能者の方にこの夢の話をしたのですが、その方いわく「あの世でも、たくさんの人をいっぺんにお迎えする時は、準備が必要なのよ」と言われ(あれはそういう夢だったのか)と納得しました。
私は三途の川のほとりに迷い込んだみたいです。
[このページはここまで ですっ!]