[地震ニュース]南海トラフ・千葉県沖・北海道沖は危険度が最も高い(8月7日)
不思議探偵社でもこれまでに何度かお伝えしているように、南海トラフ巨大地震の想定震源域や千葉県東方沖で、大地震の前兆現象である「スロースリップ(ゆっくり滑り)現象」が今年に入ってから観測されています。
そして、千葉県沖ではスロースリップの観測以降、中規模の地震が断続的に発生しており、いつ大地震が起きてもおかしくはない状況となっています。
しかし、同じくスロースリップが観測された南海トラフで地震の発生はほぼゼロに近く、千葉県沖とは違い今すぐに巨大地震が起こるような状況ではないように思えます。
ところがこの度、政府の地震本部が日本の周辺海域における大地震の発生危険度をランキング分けしたところ、南海トラフも千葉県沖も最も危険度が高いSランクと指定されました。
南海トラフ巨大地震は危険度Sランク
政府の地震調査研究推進本部は9日、部会を開き、日本海溝や南海トラフで想定される地震の危険度を発生確率に基づいてランク分けする検討を始めた。
事務局の文部科学省の案は、南海トラフの巨大地震や日本海溝寄りで起きて大津波を伴う津波地震などを「S(危険度高)」に分類。
1923年の関東大震災のような相模トラフの地震も「A(やや高い)」とし、4段階に分けた。
地震学者や防災関係者らの政策委員会総合部会(部会長・長谷川昭東北大名誉教授)が2カ月程度かけて議論する方針。
「30年以内に4~7%」のように発生確率で示す方式は、地元住民に危険度が伝わりにくいとの声が根強い。
確かに、これまでの「○○年以内に○○パーセント」という表現は危険度が分かりにくかったような気がするので、危険度を段階分けることは評価できると思います。
しかしながら、その根拠となっているのがこれまでの「○○年以内に○○パーセント」という発生確率です。
ですので、まずは発生確率を算出する精度を上げていくことが今後の課題だと思います。
東日本大震災の震源域(宮城県沖)では「30年以内に99%の確率」とされていて、まさにその通りの大地震発生となってしまいましたが、今年6月に起きた大阪北部地震は「30年以内に0~0.02%」、2016年の熊本地震では「30年以内に0~0.9%」という確率だったのです。
こういったことから分かるように、地震発生確率の算出精度をもっともっと上げていかなければいけないし、発生確率が低くても30年という長期的なスパンとは関係なく、「今日明日にでも大地震が起こるかも知れない」ということを周知させていく必要があると思います。
ちなみに、危険度が最も高いランクの南海トラフは「30年以内に70~80%」、千葉県(内陸)では「30年以内に85%」、北海道沖では「30年以内に最大70%」となっています。
危険度ランクや発生確率はあくまで目安なので、日本全国どこにも安全な場所はないものと考えておいたほうが自然だと思います。
常日頃から地震関連の情報を注視して、防災意識を高めておくことが大切です。
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